安価で資源量が豊富な鉄・銅・カルシウム・酸素からなる 水素社会実現のための新しい触媒材料の開発に成功

公立大学法人大阪府立大学の研究チームと、NIMSの研究チーム、ドイツ電子シンクロトロンの西山宣正ビームラインサイエンティストらは、15万気圧・1000℃という超高圧・高温条件を利用することで、新しい触媒材料の開発に成功しました。

 

概要

公立大学法人大阪府立大学(理事長:辻洋)の研究チーム(八木俊介テニュア・トラック講師、山田幾也テニュア・トラック講師、塚崎裕文研究員、森茂生教授ら)と、国立研究開発法人物質・材料研究機構(理事長:潮田資勝)の研究チーム(阿部英樹主幹研究員・梅澤直人主任研究員ら)、ドイツ電子シンクロトロンの西山宣正ビームラインサイエンティストらは、15万気圧・1000℃という超高圧・高温条件を利用することで、新しい触媒材料の開発に成功しました。この材料は、水の電気分解反応において有効に作用し、貴金属元素で構成される既存の触媒材料を凌駕する性能を持ちます。さらにこの材料は鉄、銅、カルシウム、酸素という安価で資源量が豊富な元素のみから構成されています。

また、今後のさらなる研究・開発の進展により、水素製造にかかる電力エネルギーの損失とコストを抑えることで、エネルギー産業の発展と水素エネルギー社会の実現に貢献することが期待されます。
ポイント

  1. 15万気圧・1000℃という超高圧高温条件を利用し、新しい触媒材料(化学式:CaCu3Fe4O12)の開発に成功しました。
  2. CaCu3Fe4O12は水の電気分解の陽極反応(酸素発生反応)において、貴金属元素を含む既存材料を凌駕する触媒性能を示しました。
  3. CaCu3Fe4O12は安価で資源量が豊富な元素のみから構成されており、レアメタルなどの資源量の少ない元素を一切含みません。
  4. ダイヤモンドの硬さの起源でもある強固な化学結合(共有結合)が、CaCu3Fe4O12の結晶中に網羅的にネットワークを構成していることで高い耐久性が実現されています。
  5. 今後の研究の進展により、水素製造にかかる電力エネルギーの損失とコストの抑制を実現し、水素ガス製造や次世代蓄電池などのエネルギー分野において広く活用される可能性があります。
本研究成果は、2015年9月10日(英国時間)にNature Communicationsにて発表されました。doi: 10.1038/ncomms9249 (オープン・アクセスのため無料で閲覧可能)
CaCu3Fe4O12と参照物質の触媒活性の比較。

CaCu3Fe4O12と参照物質の触媒活性の比較。

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